2013年1月10日税務速報

posted Jan 10, 2013, 3:16 PM by Unknown user

【2013年以降の米国税法

米国税法の範疇に関する限り、オバマ政権の第一期は、概ねブッシュ政権を踏襲した、、とも言える。 しかし、オバマ政権(とりわけ大統領本人ならびにヒラリー・クリントン女史中心に)の本質に関し、当初から共和党議員達は、社会主義的だ、、、と平然と批判していた。 ある意味、それは当たっているかもしない。 今後の2013年以降の税制改正を見る限りにおいて。

「社会主義的」色彩の濃い、税法改正の概要は以下の通り。

 キャピタル・ゲインの優遇軽減税率を15%から20%にアップ。

 配当に関する優遇軽減税率15%は廃止し、通常所得税率(最高39.6%)を適用。 当然の如くに、大企業に限らず、中小企業もこぞって2012年度中の配当前倒しラッシュであった。

 高額所得者の基礎控除、扶養者控除(2013年で一人$3,900)を一定額まで減額、ないしゼロ。

 高額所得者の投資所得に対して、3.8%のメディケア・サーチャージ税を全く新たに設定。 問題は納税方法であるが、源泉徴収納付ではなく、あくまで高額所得者の自主申告での予定納税方式(年四回分納)による。

 主たる居住用不動産売却益は夫婦合算者の場合、$500,000までは非課税であるが、これを超過した分は3.8%サーチャージの対象となる。また、利息、配当、賃貸収入、ロイヤルティー収入などが投資所得に該当する。 一方で、それらの収入を主たる事業とする納税者の場合には、3.8%サーチャージの対象とはならない。

 上記と類似で、高額所得者の給与所得、自営業者所得に対し、0.9%のメディケアー・サーチャージ税を加算課税。 これも実務は錯綜しそうで、納税方法も源泉徴収方式ではなく、予定納税方式である。

 ここからがオバマ政権「社会主義的」色彩の色濃き分野、、日本のように国民皆保険制度のない米国の最大の弱点分野、社会医療保険制度の革命的実験。 本質は、「社会」医療保険制度ではなく、あくまで民間医療保険会社主導。 そして、その第一歩として、そうした医療保険を扱う保険会社に対し、当該役員、主要従業員、コンサルタントなどへの報酬に一定の制限を設定。 具体的には年間報酬$500,000を超える部分は法人税計算上、損金不算入。

 次に2014年度からの「画期的」罰則規定。 米国市民、米国居住者が適格な医療保険に加入しない場合には、一定額のペナルティーを課される、、、という世界に類を見ない社会医療保険制度促進規定。具体的には、当該納税者の一定所得に対して2014年度は1%2015年度は2%2016年度以降は2.5%のペナルティー率を所得税申告書(Form 1040)上で加算納付。 そしてペナルティー算定対象額は、納税者家族の申告所得一定額と、当該家族内の医療保険未加入者数に法定額(2014$95, 2015$325, 2016$695, それ以降は$695のインフレ調整金額)を乗じた金額とのいずれか大きい金額。

 さらには、従業員数50名以上の雇用主に対する罰則規定。雇用主が従業員について適確な医療保険に加入していない場合は、未加入従業員一人につき年間$2,000のペナルティーを課す。 ただし、従業員30名まではペナルティー免除。 2014年度から適用。

 低所得者への医療保険加入政府補助。 低所得者の定義は、連邦貧困水準額の400%(例えば、2009年度では独身者で$43,3204人家族では$88,200)以下。 当該補助金を保険会社に直接支払う。 2014年度から適用。

 一方で、保険会社に対する牽制規定で、高価すぎる医療保険(キャデラック・ヘルスプランと命名)につき、高価保険料部分の40%エクサイズ税(物品税)を課税。 高価医療保険部分とは、一人年間$10,200超、家族保険で年間$27,500超の場合。 2018年度から適用。

なお以上の税法改正の目玉商品、「高額所得者(MAGI、修正合算所得基準での)」の定義を、オバマ政権は夫婦合算納税者で$250,000(これでも全米納税者の1.8%、

2,846,000人)、一方共和党は$500,000(全米納税者のわずか0.6%,  965,000人)、、、など20121227日現在、議会では激しく議論中。

オバマ政権第二期の間、銃規制を徹底し、、、結果、大統領の生命に危険がないことを切に願う。

 

【米国社会保険税(FICA TAX)の最新状況

 税率(本人負担プラス雇用主負担合計)の推移:

・ 2012年まで11.3%Social  Security Tax 8.4%Medicare Tax 2.9%)。

・ 2013年以降15.3%の予定(同上各々、12.4%2.9%)。

Social Security Taxの課税対象限度額:

・ 2012年 $110,110

・ 2013年 $113,700

 一人所有主(株主)かつ従業員のケースで、LLCSコープでの社会保険税比較(所得税そのものは検討から除外):

 前提として、2013年所得を$100,000とした場合、


・ LLCでは自営業者所得課税(Self-employment Tax)で,  $100,000 x 0.9235 x 13.3% = $12,283

・ S-Corpの場合で、給与として$40,000、残額$60,000は現金配当などとする場合のFICAは本人分、雇用主負担分合計で、 $40,000 x  0.3% $5,320

このように、Sコープで、給与部分を合理的に管理することで社会保険税に関する限りは年間$6,963の節税。

 最新判例:

前記のスキームは当然に納税者とIRSとの税務訴訟が絶えず、例えば$227,000の年間所得Sコープが、給与を年間$24,000として残額$203,000を配当としたケースでは、IRSは当該株主従業員のサービス内容からして年間$91,000が正当な「みなし給与(Deemed Wages)」と査定、追徴課税した。

 

 【法人税関連の動き

米国法人税関連では、以下の項目につき2013年以降の動きが流動的である。


 試験研究費税額控除。

 適格固定資産の初年度100%ボーナス減価償却。 ソフトウエアー、車両、器具備品など。

 適格固定資産の初年度50%ボーナス減価償却。 ほぼと同様。

Section 179の一時減価償却。2012年度では$139,000までは一括償却可能。 建物、内部造作は除く。

 適格賃貸不動産内部造作、レストラン、小売店舗等の内部造作の15年減価償却。

 適格環境改善支出の一括費用処理。

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