2014年より、無保険者、もしくは保険に加入していても保険内容が十分でない個人(今後、これらをまとめて無保険者と呼ぶ)には、Healthcare Legislation、通称 “オバマケア” はその個人及び扶養家族にペナルティーを課すことになる。従って、連邦政府からの各種支援プログラム(Medicare, Medicaid, Children’s Health Insurance Program)、雇用主からの保険、個人による保険契約、その他HHS(The Department of Health and Human Service、アメリカ合衆国保健福祉省)から推奨された保険プログラム等を購入することにより、ペナルティーを課されない最低限の保険内容を満たしておく必要がある。 さて、その気になるペナルティーの内容は下記1、2の大きい方の金額となる。 1.1%(2014年度) X 超過所得 *1 2.$95(2014年度) X 世帯における無保険者数、ただし固定金額の300%が限度(2014年度の場合は$285 ($95 x 300%))となり、18歳未満の個人に対しては固定金額の半額が適用となる。 *1 超過所得:所得から連邦所得税申告に必要となる最低所得額を差し引いた金額。連邦所得税申告に必要となる最低所得額とは、例えば独身者の場合は$11,500(Exemption $3,900 + Standard Deduction $7,600)となる。 なお、上記1の超過所得に対する%は2015年には2%、2016年には2.5%となり、上記2の世帯における無保険者数に対する固定金額も2015年には$325、2016年には$695となる予定なので早めの対応が非常に重要となる。 このペナルティーの支払いは2014年度の個人確定申告書Form 1040にて行うようになる。しかし、所得税過払いにより税金の還付がある場合に未払いペナルティーが差し引かれて還付という仕組みであるため、その年において所得税の過払いがなくペナルティーを支払わなかった場合、どこかでペナルティーが徴収されることもなければ、刑事訴追を受けることも固定資産が抵当に入ることもないため、このペナルティー制度が無保険者を保険の購入に導くための大きな扇動力となれるかは疑問が残るところである。 日本からの駐在員で、日米社会保障協定によりアメリカの保険には加入せず、日本の社会保険と海外旅行保険でアメリカに滞在している方も多くいらっしゃると思われるが、現時点(2014年6月25日)では日本の国民保険がオバマケアに適合しているとの声明は出されていない。しかし、2014年度においては無闇にアメリカの保険に加入するよりペナルティーを支払ったほうが安くつくケースもあり、また、日本の国民保険が認められる可能性もゼロではないため、各個人、もしくは企業においてどういった措置を取るのがベストであるかをよく検討する必要がある。
参考Web Page:在ニューヨーク日本国総領事館 「米国医療制度改革法の在留邦人への適用に関するアップデート」 http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/g/Obamacare.html |
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