2010年12月2日 年末のタックスプランニング

posted Dec 2, 2010, 6:22 AM by Naoko Konno   [ updated Dec 5, 2010, 1:44 AM ]
2010年も残り1ヶ月ほどとなりました。
今回は、連邦税のタックスプランニングのヒントになるアイディアをご紹介いたします。
税法は常に議会での決定で左右されますが、現在見込まれている2011年以降の税法改正では、特に高額所得者(具体的には上位2ブラケットにはいる納税者)が影響を受ける見込みです。
2011年以降の具体的な増税内容と、それに対応するために2010年に可能な節税対策の具体例は、以下のとおりです。

今後の連邦個人所得税 増税の見込み

  • 2011年以降、高額所得者の個人所得税率は、36%から39.6%へ、33%から35%へ増税見込みです。
  • 2013年以降、高額所得者の一部給与と個人事業所得に対し、Medicareが0.9%上乗せされる見込みです。
  • 2011年以降、高額所得者の長期(1年以上保有)投資益(キャピタルゲイン)に対する税率が15%から20%へ上昇、5年以上保有の投資益に対しては最高18%の税率適用が見込まれています。
  • 2011年以降、高額所得者の配当金に対する税率は15%から最高20%へ上昇の見込みです。
  • 多くの州で、州税率のあがる予想がでております。

個人所得に関する税務対策:

2011年より、高額所得者に対する項目別控除(Itemized Deduction)の逓減(Phase-out)適用が高くなるため、住宅ローン利子、州税・地方税、寄付金などの項目別控除を2010年に前倒しすることでTaxBenefitが得られるます。

2011年から、長期投資益に対する増税が見込まれる(15%から20%)ため、2010年中に売却・投資益を確定させることで、Tax Benefitが得られます。
ただし、2010年年初および前年度からの繰越で投資損がある場合、2010年中の売却益確定は、あまり効果がみられません。

2008年のリーマンショックで打撃をうけたTraditional IRA保有者にとって、今年度のRoth IRAへの変換は、あまり効果がみられません。

遺産税(相続税):

11月現在、2010年の遺産税は免税となっていますが、この後残り12月末までのわずか1ヶ月間での税法改正によって、2010年1月に遡って課税になる可能性もあり、また2011年以降の遺産税の見通しは不透明となっています。
そこで、生涯 $1ミリオンまでの贈与税の基礎控除を利用することが可能です。贈与税の基礎控除は以下のようなものがあります。
  • 年次控除:2010年 受贈者一人に対し$13,000まで
  • 配偶者控除:無制限(米国市民権保持者に限る)
  • 教育・医療費控除:無制限(ただし、対象費用の内訳および支払い方法に制限があるので注意)

事業所得に関する税務対策:

2011年から高額所得者の個人所得税増税が見込まれるため、事業所得を個人所得と合算して申告している場合には、2010年の事業所得を最大まであげることでTax Benefitが得られます。
(具体的には、通常のスキームと反対に、売上の前倒しと、費用の先送りを計画することが可能です。)
また、高額所得でない事業主も、今後の議会の動向次第では増税の可能性があるため、2010年の事業所得を先取りする効果はあると見られています。

非公開会社の株主である場合、2010年に配当金を受けた場合の税率は15%ですが、2011年以降、20%もしくは39.6%まで上昇の可能性があるため、今年度中の配当はTax Benefitを得られる可能性が大きくなります。
株式の償還(Stock Redemption)は、配当もしくは長期投資益と同様の扱いとなるため、2010年のStock Redemptionに対するTax Benefitは上記同様、大きくなります。

株式の売却も、長期投資益と同様の扱いとなるため、Tax Benefitが得られます。

その他の事業所得に関するアイデア

2010年 $250,000 まで認められた減価償却の179条即時費用化選択(Section 179)は、2011年では $25,000までしか認められません。

2009年に施行された最大5年までの繰戻欠損金(NOL Carryback)のルールにより、例えば2009年11月からの課税年度を採用している法人では、今年度欠損金をだすことで繰戻の効果が得られます。

2010年3月19日以降12月31日までに、適格親族を採用した雇用主は、雇用主負担のソーシャルセキュリティー免除および $1,000 までのタックスクレジットが受けられます。