2010年8月31日 米国外保有金融資産開示義務

posted Aug 31, 2010, 6:43 AM by Unknown user   [ updated Aug 31, 2010, 10:09 AM ]
以前、当事務所では米国居住者が米国外に保有する金融資産の開示義務についてのニュースレターを配信致しましたが(詳細は第一回目ニュースレター参照)、昨今スイスのUBS銀行が米国人の所得隠蔽・脱税を斡旋していた事を認め話題となっています。

以前より米司法省は、UBSが米国人富裕層の脱税を斡旋しているとして、米国人顧客約52,000名分の情報提供を求めUBSを提訴していました。その結果、今年2月、UBS銀行は米国人の所得隠蔽の手助けをした事を認め、7億8千万ドル(約78億円)の罰金と共に4,450名分の個人情報を提供する事で米政府と和解しました。UBSは、少なくとも 約98万ドル(約980万円)以上の米国人保有隠し口座を米政府に公表するとしており、この中には約1億ドル(約10億円)以上もの隠し口座を持つ米国富裕層も含まれているそうです。また、これらの個人情報開示に伴い、脱税を斡旋したとされる他銀行、弁護士、コンサルタント等第三者への追及も行われると予想されます。

以上のように、多額の脱税が行われていた事実が明らかとなった事からも、米国居住者が保有する米国外金融資産の開示は、今後最重要項目も一つとなりそうです。